過去の相談例

 当事務所がこれまで解決してきた事例をご紹介いたします(実際にあった事件を一部脚色してあります。)。

相続事件

~先祖代々管理してきた土地の一部が何代も前のご先祖様名義のままになっていた事例~

【ご相談の概要】

 先祖代々相続し、管理してきた土地の一画に、何代も前のご先祖様名義の土地があります。
 もちろん土地の名義人であるご先祖様は大昔に亡くなっているのですが、何らかの理由で名義変更されないまま放置されてきたようです。
 この度、諸事情から土地全体を売却し換価せざるをえなくなったのですが、一部、私の名義になっていないため、買主が契約締結に難色を示しています。
 この売却を実現するため、ご先祖様の名義のままになっている土地を、私名義に変更することはできないでしょうか。

【本件のポイント】

 ご先祖様の名義のままになっている土地をご相談者様名義にするためには、まず、土地の名義人であるご先祖様の相続人を調査し、その全員を相手どって遺産分割協議を行い、ご相談者様がこの土地を取得する合意を成立させるという方法が考えられます。
 しかし、このケースの場合、調査すると、相続人の数が約80人にも上ることが判明し、中には遠方にお住いの方もいらっしゃったことから、その全員との間で遺産分割協議を成立させることは極めて困難でした。

【弁護士の対応】

 そこで、私は、ご相談者様及びその代々の被相続人の方々が長年にわたりこの土地を管理されてきたことに着目し、ご相談者様がこれを時効取得するという構成を採ることにしました。
 そして、取得時効を原因とした所有権移転登記手続を実現するため、民事訴訟手続を利用しました。具体的には、相続人全員を被告として所有権移転登記手続請求訴訟を提起するのです。
 ここで、民事訴訟には、被告が原告の提出した訴状記載の事実について争わなければ、裁判所は被告が原告の主張を認めたものとみなし(擬制自白)、それに基づいて原告の請求を認める判決を書かなければならない(いわゆる弁論主義の第2テーゼ)というルールがあります。したがって、本件でも、被告らが訴状記載の事実を何ら争わなければ、裁判所は原告(ご相談者様)の請求を認める判決を書いてくれるはずです。
 そこで私は、なるべく円滑に上記判決が得られるよう、訴訟を提起する前に、相続人の皆様へお手紙を出し、その中で、ご相談者様の現在置かれている状況(土地売却の必要性)や、訴訟提起は相続人の皆様のご負担を可能な限り軽減するために選択した方法であることなどを説明しておきました。

【結果】

 お手紙をお出しした後、数名の相続人の方からお問い合わせをいただきましたが、特に大きな反対もなく、無事、所有権移転登記手続請求認容判決を得ることができました。
 そして、この確定判決に基づき、上記土地を、ご相談者様の名義に変更することができました。

離婚事件

~子が「離婚に関する件がすべて解決するまでは別居親と会わない」と言って聞かなかった事例~

【ご相談の概要】

 夫と二人の子ども一緒に暮らしていましたが、夫と喧嘩が絶えず、夫がひとりで実家に戻ってしまいました。
 その後、家庭裁判所において離婚調停をしましたが、夫は子どもたちの親権を譲らず、他方で、子どもたちは今後も母親である自分と一緒に暮らしたいというので、私も親権については譲ることができず、調停は不成立となりました。その後さらに離婚訴訟が提起され、現在も係属中です。
 さらに夫は、面会交流を希望しましたが、子どもたち自身が、少なくとも離婚に関する件がすべて解決するまでは、夫と会いたくないと言って聞きません。どうやら、夫と会うと、そのまま夫の実家で生活しなければならなくなると思っているようです。
 夫にそれを伝えると、夫は、私が子どもたちとの面会交流を妨害しているのだと言いがかりをつけ、新たに面会交流を求める調停を申立ててきました。どうすればよいのでしょうか。

【本件のポイント】

 本件は、当事者双方が離婚自体はやむなしと考えているものの、親権について折り合いが付かず、現時点で子らを監護している母親側の監護状況の適切であるのか否かについて、家庭裁判所調査官の調査に付されることになりました。
 その結果、母親側の監護状況には特段問題はないという報告がされましたが、それでもなお、夫は親権を譲ろうとしません。どうやら、夫は、この紛争を通じて子らとの面会交流が実現していないことに強い不満を感じているようで、面会交流が実現しない限り、親権についても譲歩することはできないという姿勢を示しました。
 これを受け、離婚訴訟事件が係属している裁判所は、直ちに判決を出すことを渋り、まずは面会交流に関する調停において、本当に母親が父親と子らの面会交流を妨害しているのか否か調査官の調査に付し、その報告を待ってから判決を出すとの方針を説明してきました。
 しかし、ただでさえ本件事件は最初に離婚調停が係属してから2年以上の年月が経過しており、さらに面会交流に関する調査官調査がなされるとなれば、さらなる長期化は避けられなくなります。中途半端な立場に翻弄される子らと、子らから紛争の長期化について責められる母親(ご相談者様)の精神状態は限界でした。

【弁護士の対応】

 調査官による母親の監護状態には特段問題がないといった内容の報告書を前提とすれば、いざ判決となったときに裁判所が親権については母親に帰属させるといった内容の判断をすることがほぼ間違いないという状況だったこともあり、夫は、面会交流さえ実現すれば、協議離婚を成立させ、母親に親権が帰属することになってもやむを得ないと考えている様子でした。
 そこで、ご相談者様を通じて子どもたちに事情を説明し、ご相談者様同席のもと、短時間だけという条件付きで子どもたちから理解を得て、夫(父親)との面会交流を実現してもらいました。

【結果】

 面会交流が実現すると、夫は態度を軟化させ、面会交流に関する調査官調査を経ずに、和解によって離婚を成立させ、ご相談者様が親権を得ることができました。

交通事故

~後遺障害等級に該当しないとの決定に対する異議が認められた事例~

【ご相談の概要】

 交通事故に遭い、頚椎捻挫(むち打ち症)と診断をされたので、整形外科と整骨院に通っていました。
 はじめは相手方の保険会社が治療費を全額支払ってくれていたのですが、半年ほど経過すると、医師から「症状固定」と診断され、治療費の支払いが打ち切られてしまいました。
 私は、その後も腕のしびれが残ったため、自費で痛み止め等の服用を続けましたが、1年ほど経過しても完全には治癒しませんでした。そこで、医師に後遺障害の診断書を作成してもらい、それをもとに相手方保険会社を通じて後遺障害の等級認定の申請をしたところ、等級には該当しないとの結果でした。
 私としては、この結果に納得できません。自費で支払った治療費も返してほしいし、後遺障害の補償もしてほしいです。さもなければ、事故が起こる前の体に戻してほしいです。

【本件のポイント】

 後遺障害の等級に認定されると、相手方に対し、逸失利益(後遺障害によって労働能力が一部喪失されたものとみなし、本来得られたであろう収入との差額を損害と考える概念)と後遺障害慰謝料を請求することが可能になります。
 これからも痛みやしびれを抱えて生活していかなければならないご相談者様にとって、後遺障害の補償をしてほしい、さもなければ事故が起こる前の体に戻してほしいという願いは切実なものといえるでしょう。
 ところが、他覚症状のないむち打ち症の場合、後遺障害の診断書だけでは、等級に認定してもらえないケースがほとんどです。
 後遺障害の等級認定結果には異議を申し立てられますが、前回と同じ添付資料だけでは、同じ結果が出るだけです。

【弁護士の対応】

 後遺障害の等級認定を得るべく、先の通知結果に対して異議を申し立てました。
 その際には、ご相談者様のカルテを取り寄せて内容を分析したり、ご本人から後遺症の症状を詳細にお聴き取りしたりするなどして、異議申立の主旨の記載の仕方を工夫しました。
 また、自費で服用されていた薬品についてもその効用等を調査し、処方箋等を添付資料としました。

【結果】

 異議申し立てが認容され、後遺障害等級14級9号の「局部に神経症状を残すもの」に該当するとの認定が得られました。
 これに基づき、逸失利益及び後遺障害慰謝料を算定して相手方に請求した結果、最終的に、ご相談者様のご納得いただける和解をすることができました。

労働事件

~会社側が労災事故の原因を隠蔽した事例~

【ご相談の概要】

 建設工事現場でとび職人として働いていた夫が、仕事中に高いところから落下して亡くなりました。
 会社の方から事故の説明を受けたのですが、釈然としません。夫が亡くなった本当の原因を知りたいです。

【本件のポイント】

 建設工事現場には多くの危険があり、事故を防止するためにはしっかりとした安全対策が必要となります。しかし、それが遵守されず事故が発生してしまった場合、使用者は、自身の安全配慮義務違反を問われる可能性があるため、事実を隠蔽する傾向があります。本件も、会社側は一部安全配慮義務違反の事実があったことを認めたものの、核心的な部分についてはあいまいな説明をくりかえしていました。
 しかし、もっとも当時の状況を詳しく知っているはずのご主人様は既にお亡くなりになられており、お話しをお聞きすることはできません。また、当時現場に居合わせていた上司からも、会社から口止めされているからなのか、詳しい説明を聞くことはできませんでした。

【弁護士の対応】

 特定の労働災害が発生した場合、労働基準監督署、産業安全専門官等の調査担当者は、労働安全衛生法の規定に基づいて調査を行い、労働災害の発生原因を究明するとともに、同種災害の再発防止策等を策定するために調査結果等を踏まえた所見をとりまとめた災害調査復命書を作成します。
 私は、前述した経緯からすると、自分たちだけで関係者から任意の事情聴取をして事実関係を明らかにすることには限界があると考え、災害調査復命書の閲覧・謄写申請を行いました。

【結果】

 申請の結果、災害調査復命書の写しが手に入り、それをもとに、詳細な事実関係を明らかにすることができました。
 そして、これをもとに会社側の安全配慮義務違反を追及し、ご遺族の方々が納得できる解決を導くことができました。

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